メール施策を振り返るとき、多くの担当者が最初に確認するのが開封率です。
件名の良し悪しや配信タイミング、ターゲットに興味を持ってもらえたのかなどの判断の材料として、開封率は長年利用されてきました。
しかし近年、Marketoの開封率は以前ほど信頼できる指標ではなくなっています。
実際に、
- 開封率が急に高くなった
- 開封率は良いのにクリックされない
- 昨年より開封率が改善したのに成果は変わらない
といったケースも珍しくありません。
これはMarketoの問題ではなく、メールを取り巻く環境が変化したことが大きな理由です。
今回は、Marketoの開封率が正しく見えない理由と、実務でどのように判断すべきかを解説します。
そもそもMarketoの開封率は何を計測しているのか
まず知っておきたいのは、Marketoは「メールを読んだ」ことを計測しているわけではないということです。Marketoの開封は、メール内に埋め込まれたトラッキング画像が読み込まれたタイミングで記録されます。

つまり、「人がメールを読んだ」ではなく、「開封計測用の画像が読み込まれた」ことを測定しています。
この仕組みがある限り、実際の行動と計測結果にズレが発生することは避けられません。
開封率が実態とズレる主な理由
① Apple Mail Privacy Protectionの影響
近年もっとも影響が大きいのがAppleのMail Privacy Protection(MPP)です。
MPPが有効な環境では、受信者が実際にメールを開いていなくても、Apple側が画像を事前取得する場合があります。
その結果、読まれていないのに開封となり開封率だけが上昇してしまうのです。
Microsoft Outlookを含む他のメールアプリと連携時にも適用されるため、BtoC事業者のみならずBtoC事業者にも影響を与えています。
② セキュリティツールによる機械的なアクセス
BtoB企業向けのメール配信では、企業のセキュリティ対策も無視できません。受信したメールをセキュリティツールが事前にチェックすることで、開封やクリックが自動的に記録されることがあります。
例えば、
- 配信直後に大量の開封が付く
- 開封とクリックが同時刻に発生する
- 特定企業だけ異常に反応が高い
といった場合は、人ではなくセキュリティツールの可能性も考えられます。
③ 画像ブロックによる未計測
反対に、実際には読まれていても開封として記録されないケースもあります。
画像の自動表示の無効化、外部画像のブロック、テキスト表示での閲覧などを設定している環境では、受信者はメールを読んでいても、Marketo上では未開封として扱われます。
Marketoで確認したいポイント
開封率を見る際は、開封数だけではなく次の指標もあわせて確認することをおすすめします。
- 配信成功数
- バウンス率
- クリック率
- 配信停止率
- フォーム送信数
- 商談化数
また、違和感を感じた場合はアクティビティログも確認しましょう。
配信直後の大量開封や短時間での連続クリックが見られる場合、セキュリティツールの影響を受けている可能性があります。
開封率は参考指標として活用する
メール施策で本当に見たいのは開封ではありませんよね。
実際には、セミナー申込、資料ダウンロード、問い合わせ、商談化などの成果が重視されるべきです。
開封率はあくまで件名や配信タイミングの良し悪しを判断する参考情報として確認するに留め、メール施策自体の評価はクリック率やコンバージョン数、商談化数とあわせて判断することが重要です。
まとめ
Marketoの開封率は便利な指標ですが、実際にメールを読んだ人の割合を正確に表しているわけではありません。
その背景には、
- Apple Mail Privacy Protection
- セキュリティツールによる自動アクセス
- 画像ブロックによる未計測
などがあります。
開封率が高いから成功、低いから失敗と判断するのではなく、その先のクリックやコンバージョンまで確認することが重要です。
Marketo運用では、開封率を参考指標として活用しながら、施策全体の成果を見る視点を持つことが求められます。
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