Marketoのスマートキャンペーンが初回は正常に動作したにもかかわらず、同じ人に対して2回目以降に反応しない場合、まず確認すべきなのはフローやスマートリストだけではありません。
この症状では、スケジュールタブ内の設定が原因になっているケースがあります。
特に、トリガー型のスマートキャンペーンでは「クオリフィケーションルール」、バッチ型のスマートキャンペーンでは「実行スケジュール」と「フィルター条件」を確認することが必要です。これらの設定を確認しないままフローを修正しても、根本原因が解消されない可能性があります。
この記事では、スマートキャンペーンが初回は動作するが、2回目以降は動かないという状態に絞り、確認すべき設定と確認順を整理します。
スマートキャンペーンが2回目以降だけ動かない、が起きる仕組み
Marketoのスマートキャンペーンには、同じ人を何回フローに通すかを制御する設定があります。
この設定が「1回のみ」になっている場合、対象者は初回のみフローを通過し、2回目以降は通過しません。
これはエラーではなく、設定どおりの動作です。

新しく作成したスマートキャンペーンでは、何も変更しない場合、同じ人は1回しかフローを通過しない設定になっています。そのため、1人のテストリードで初回の動作確認だけを行うと、設定上の制限に気づきにくい場合があります。
確認に入る前に、スマートキャンペーンの種類を整理します。スマートキャンペーンには、大きく分けて次の2種類があります。
- トリガー型:フォーム送信、リンククリック、属性変更など、特定の行動をきっかけにリアルタイムで動作する
- バッチ型:条件に合う人をまとめて抽出し、指定したタイミングで処理する
スケジュールタブを開くと、そのスマートキャンペーンがトリガー型かバッチ型かを確認できます。スマートリストにトリガーが1つでも含まれていればトリガー型、フィルターのみで構成されていればバッチ型です。
確認すべき箇所は型によって異なるため、まずスマートキャンペーンの種類を確認してください。
トリガー型の場合:クオリフィケーションルールを確認する
トリガー型のスマートキャンペーンで2回目以降に動作しない場合、最初に確認すべきなのがクオリフィケーションルールです。
クオリフィケーションルールとは
クオリフィケーションルールとは、1人の人がスマートキャンペーンのフローを何回通過できるかを決める設定です。
Adobeの公式ドキュメントでも、デフォルトでは複数回トリガーされてもフローを通過するのは1回だけと説明されています。
たとえば、スコア加算を1日1回に制限したい場合や、登録処理を1人につき1回だけにしたい場合などに、この設定で実行回数を制御します。
確認手順
次の手順で設定を確認します。
- 対象のスマートキャンペーンを開く
- 「スケジュール」タブを開く
- 「設定を編集」を選択する
- フローを通過できる頻度を確認する
設定できる主な選択肢は次の3つです。
- 1回のみ:1人につき1回だけフローを通過する。2回目以降は通過しない
- 毎回:トリガーが発生するたびにフローを通過する
- 日/週/月ごとに1回:指定した間隔内で1回だけフローを通過する
2回目以降も動作させたい場合は、「1回のみ」以外を選択します。
毎回反応させたい場合は「毎回」、一定期間内の実行回数を制限したい場合は「日/週/月ごとに1回」を使用します。
間隔指定を使用する場合は、リセットの考え方にも注意が必要です。
たとえば、日曜日の夜に対象者が条件を満たした場合、次に通過できるのは、指定した期間が経過した同じ時刻以降です。「日付が変わったら再度通過できる」という動きではありません。
また、月単位を指定した場合、Marketoでは1か月を常に30日として扱います。暦上の月の長さや月末とは関係なく、30日後を基準に判定されます。
見落とされやすい理由
クオリフィケーションルールは、初回の動作確認では問題として表面化しにくい設定です。
1人のテストリードで1回だけ動作確認を行うと、フローは正常に実行されます。そのため、同じ人が2回目の条件を満たしたときに初めて、設定によって止まっていることに気づく場合があります。
また、テスト時に一時的に「毎回」へ変更し、本番前に意図した設定へ戻し忘れるケースもあります。
リリース前には、スマートキャンペーンの目的に対して適切な実行回数になっているかを確認してください。
バッチ型の場合:スケジュールとフィルターを確認する
バッチ型のスマートキャンペーンでは、トリガー型とは確認すべき箇所が異なります。
バッチ型は、繰り返し実行する設定になっていなければ、2回目は自動実行されません。
1回だけ実行する設定になっていないか
バッチ型のスケジュールには、「1回実行」と「繰り返しスケジュール」があります。
「1回実行」で処理した場合、その実行が完了すると、以降は自動では実行されません。
定期的に処理したい場合は、「繰り返しスケジュール」を設定し、日次・週次・月次などの実行間隔を指定する必要があります。
繰り返し実行を想定している場合は、スケジュールが「1回実行」のままになっていないかを確認してください。
フィルターで2回目の対象から外れていないか
バッチ型では、実行のたびにスマートリストの条件に基づいて対象者を抽出します。
そのため、1回目の処理結果によって、2回目の実行時には条件に合わなくなることがあります。
たとえば、「このメールを送信していない人」というフィルターを設定している場合、1回目でメールを送信した相手は、2回目の実行時には「送信済み」となります。その結果、スマートリストの対象から外れます。

これは設定ミスではなく、フィルター条件どおりの動作です。
2回目以降も同じ人を対象にしたいのか、それとも未処理の人だけを対象にしたいのかを確認し、目的に合う条件になっているかを見直してください。
ここまでで原因が見つからない場合に確認する設定
スマートキャンペーンの型を確認しても原因が特定できない場合は、次の設定も確認します。
ただし、確認対象はスマートキャンペーンの型や処理内容によって異なります。
トリガー型の場合:自動で無効化されていないか
Marketoには、長期間対象者が発生していないトリガーキャンペーンを自動で無効化する仕組みがあります。
対象となるのは、6か月以上アクティブな状態が続いているにもかかわらず、その期間に対象となったリードが1件もないトリガーキャンペーンです。この確認は四半期に1回行われ、無効化の前にはMarketoから通知が届きます。
この仕組みはトリガーキャンペーンに対するクリーンアップで、バッチキャンペーンは対象外となります。
バッチ型で動作しない場合は、前述のスケジュールとフィルター条件を優先して確認してください。
トリガー型で止めた認識がないにもかかわらず動作しない場合は、スマートキャンペーンのステータスを確認します。非アクティブになっている場合は、有効化し直してください。
また、一度手動で無効化してから再度有効化しておくことで、次回の自動無効化の対象から外れやすくなります。
メール送信を含む場合:コミュニケーションリミットを確認する
メール送信を含むスマートキャンペーンでは、型を問わずコミュニケーションリミットの影響を受ける場合があります。
Marketoのコミュニケーション制限は、1日または1週間にその人が受け取れるメール数の上限を管理者が設定できる機能です。
スマートキャンペーン側で「非オペレーショナルのメールをブロック」が有効になっている場合、上限に達した人には非オペレーショナルメールが送信されません。
一方、オペレーショナルメールは、この制限を超えて送信されます。
この場合、スマートキャンペーン自体は動作していても、フロー内のメール送信ステップだけがスキップされます。
そのため、「キャンペーンが動いていない」のではなく、「キャンペーンは動作したが、メール送信だけが制限された」という切り分けが必要です。
上限に関係なく届ける必要がある運用メールであれば、スマートキャンペーン側のブロック設定を見直すか、メール側をオペレーショナルメールとして扱う設定を確認してください。

設定を変更する前に確認すること
クオリフィケーションルールを「1回のみ」から「毎回」に変更すると、トリガーが発生するたびにフローが実行されます。
そのため、メール送信を含むスマートキャンペーンでは、同じ人に短時間で複数回メールが送られる可能性があります。
また、条件の組み方によっては、想定よりも高い頻度でスマートキャンペーンが発火する場合があります。
設定を変更する前に、フローの内容を必ず確認してください。
スコア加算や内部処理のみであれば影響は限定的ですが、メール送信や外部システム連携が含まれる場合は、テストリードで実際の動作を確認してから本番に反映することを推奨します。
確認順を運用ルールとして残す
「初回は動くが、2回目以降は動かない」という症状は、確認順を決めておくことで切り分けしやすくなります。
次の順番をチェックリストとして運用に組み込むと、担当者が変わっても同じ観点で確認できます。
- スケジュールタブで、トリガー型かバッチ型かを確認する
- トリガー型の場合は、クオリフィケーションルールを確認する
- バッチ型の場合は、繰り返しスケジュールとフィルター条件を確認する
- トリガー型の場合は、自動無効化されていないか確認する
- メール送信を含む場合は、型を問わずコミュニケーションリミットを確認する
この順番で確認すれば、2回目以降に動作しない原因を効率的に切り分けられます。
また、リリース前のチェック項目にクオリフィケーションルールを含めておくことで、同じ人が2回目以降にフローを通過しないという事象を事前に防ぎやすくなります。
複数の担当者でMarketoを運用している場合は、誰が確認しても同じ判断ができるよう、スマートキャンペーンのリリース前チェックリストとして整備しておくことをおすすめします。
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