Marketing

HubSpotとSalesforceの同期エラーが止まらないときの原因別対処法

HubSpotとSalesforceを連携していると、特定のコンタクト、会社、取引だけが同期されないことが生じます。

同期エラーの件数が増えているのに、どこを直せばよいのかわからない。設定を変えていないのに、ある日から同期が止まった。

このような状況で最初に判断すべきことは「HubSpotとSalesforceのどちらの画面で、何のエラーが出ているか」です。HubSpotとSalesforceの同期エラーは、原因によって直す場所が異なります。HubSpot側だけで解決できるものもあれば、Salesforce管理者と連携しなければ前に進めないものもあります。この記事では、よく発生する同期エラーを原因ごとに整理し、確認手順と対処方法を説明します。

同期の健全性タブを最初に確認

対処を始める前に、エラーの種類と件数を把握します。HubSpotの画面上部にある設定アイコンをクリックし、左メニューの「連携」→「接続されたアプリ」を開いてSalesforceを選択します。その後、「同期の健全性」タブを開くと、過去24時間のAPI呼び出し数、同期エラーの種類、現在のエラー数、影響を受けたレコード数を確認できます。エラータイプのカードをクリックすると、右側のパネルに詳細が表示されます。

エラー件数が多い場合は、画面から「エラーをエクスポート(CSV)」でファイルに書き出し、エラーの種別ごとに整理してから対処に入るのが効率的です。

原因1:フィールドの型が合っていない

HubSpotのプロパティとSalesforceのフィールドは、同じ種類のデータを扱う設定でなければ正しく同期できません。たとえばHubSpot側が自由入力のテキストなのに、Salesforce側が日付型や数値型になっている場合、値を渡せずエラーになります。HubSpot公式では「タイプが一致しません」エラーとして案内されています。

確認するには、対象オブジェクト(コンタクト・会社・取引)のタブからプロパティのマッピング画面を開きます。エラーが出ているHubSpotプロパティとSalesforceフィールドを見つけ、両方のデータ型に互換性があるかを確認します。

型が合っていない場合は、HubSpot側のプロパティを修正するか、Salesforce側のフィールドを修正するか、マッピングを外して正しいフィールドに接続し直します。Salesforce側のフィールド変更は通常Salesforce管理者の対応が必要です。

原因2:選択リストの値が一致していない

フィールドの型が同じでも、選択リストの値が一致していなければ同期エラーになります。たとえばHubSpot側に「検討中」という値があるのに、Salesforce側には「検討」しかない場合、値を渡せずエラーが発生します。HubSpot公式では、選択リストの値が相手側に存在しない場合、値の上限に達した場合、無効な値が渡された場合にこのエラーが発生すると説明されています。

エラー詳細で該当するプロパティ名を確認したら、HubSpot側の選択肢とSalesforce側の選択リスト値を照合します。このとき表示名だけでなく、内部値やAPI名も確認することが重要です。表示名は同じでも内部値が異なるケースがあるためです。

特にSalesforce側で「選択リストを値セットで定義された値に制限」する設定が有効になっている場合、HubSpotから渡す値がSalesforce側の選択肢に存在していなければ同期できません。どちらかの値を合わせるか、Salesforce側の制限設定を見直します。

原因3:Salesforce連携ユーザーの権限が不足している

HubSpotとSalesforceの連携では、Salesforce側の接続ユーザー(連携ユーザー)がデータを読み書きします。このユーザーに必要な権限がない場合、同期エラーになります。HubSpot公式では、連携ユーザーが対象オブジェクトやフィールドへのアクセス権を持っていない場合、HubSpotの変更がSalesforceに同期されないことがあると説明されています。

権限の確認では、連携ユーザーとしてSalesforceにログインし、対象レコードを表示できるかを確認すると切り分けに役立ちます。ただし、レコードを表示できる場合でも、フィールド権限、検証ルール、重複ルール、マッピング設定などが原因で同期できないことがあります。

権限が不足していると判断した場合は、Salesforce管理者がプロファイル、権限セット、オブジェクト権限、フィールド権限、レコード共有設定を確認して修正します。修正後はHubSpotの同期エラー画面に戻り、対象エラーを選択して「再同期」をクリックします。

原因4:メールアドレスや重複ルールで競合している

HubSpotではコンタクトの識別にメールアドレスが重要な役割を持ちます。すでに同じメールアドレスを持つHubSpotコンタクトが存在している場合や、Salesforce側の重複ルールに引っかかる場合、同期エラーになります。HubSpot公式では「Eメールがすでに使用中です」と「Salesforce重複ルール」が重複エラーの例として挙げられています。

「Eメールがすでに使用中です」エラーの場合は、既存のHubSpotコンタクトから重複しているメールアドレスを削除します。Salesforceの重複ルールが原因の場合は、Salesforce管理者が重複ルールや一致ルールを確認し、競合しているレコードをマージ・更新・削除するか、重複ルール自体を調整します。その後、HubSpotで再同期します。MarketoからHubSpotへの移行など、連携するMAツールを変更する際はこの問題が起きやすいため、事前にデータのクレンジングを行っておくことが有効です。

原因5:Salesforceのフロー・検証ルール・カスタムコードが同期を止めている

Salesforceではレコードの作成や更新時に、フロー、検証ルール、Apexなどの処理が自動で動作します。これらがHubSpotから送られた値を受け付けない設定になっている場合、Salesforce側でエラーが発生し、同期が止まります。HubSpot公式でも、Salesforceの自動化・フロー・検証ルール・カスタムコードによって同期できないことがあると説明されています。

このタイプのエラーはHubSpot側だけで解決できないことが多く、Salesforce管理者による確認が必要です。HubSpot側では、送信している値、必須項目の入力状況、マッピング設定を見直します。Salesforce側では、HubSpotの同期エラー詳細に表示されているメッセージをもとに、該当するフロー、検証ルール、Apexを特定して修正します。

原因6:SalesforceのAPI呼び出し上限に達している、または逼迫している

HubSpotとSalesforceの連携ではAPI呼び出しが使われます。SalesforceにはAPI要求の上限があり、上限に達している場合やHubSpotに割り当てたAPI呼び出し数が不足している場合、同期に影響が出ることがあります。なお、HubSpotは15分ごとに更新情報を確認しますが、実際のAPI使用量は更新件数、同期対象、他の外部連携の利用状況によって変わります。

「同期の健全性」タブで過去24時間のAPI呼び出し数を確認し、上限に近づいている場合はHubSpotに割り当てる呼び出し数を調整します。不要な外部連携の見直しや、大量更新のタイミングを分散させることも効果的です。データ移行中など呼び出し数が急増する場面では、Salesforceサポートに上限の一時的な引き上げを依頼できます。Salesforce公式ヘルプにその手順が掲載されています。

原因7:関連レコードがまだ同期されていない

コンタクトがSalesforceの取引先に紐づいている場合、その取引先がHubSpotの会社としてまだ同期されていないと、コンタクト側の同期も止まります。HubSpot公式では「アカウントが同期されるのを待機しています」エラーとして案内されており、この場合はSalesforceアカウントをHubSpotにインポートすることが推奨されています。対処は順序が重要で、まずSalesforceのアカウントをHubSpotの会社として同期し、会社レコードが作成されたことを確認してから、コンタクトの同期を再試行します。

エラーを修正したら再同期する

原因を修正した後、すぐに反映させたい場合はHubSpotのエラー一覧に戻り、解決済みのエラーのチェックボックスを選択して「再同期」をクリックします。一括で再同期できるSalesforceエラーは100件までです。100件を超える場合は、Salesforceから対象レコードをインポートするか、マッピング済みプロパティを更新して対応します。

原因別の確認場所まとめ

原因確認する場所主な対応者
フィールド型の不一致HubSpotのプロパティマッピングHubSpot管理者、Salesforce管理者
選択リスト値の不一致HubSpotプロパティ、Salesforce選択リストHubSpot管理者、Salesforce管理者
連携ユーザーの権限不足Salesforceのプロファイル、権限セット、フィールド権限Salesforce管理者
メールアドレス・重複ルールの競合HubSpotコンタクト、Salesforceリード・コンタクト、重複ルールHubSpot管理者、Salesforce管理者
フロー・検証ルール・Apexによる停止Salesforceの自動化設定、HubSpotのマッピング・値HubSpot管理者、Salesforce管理者
API呼び出し上限・逼迫HubSpot同期の健全性、Salesforce API使用量HubSpot管理者、Salesforce管理者
関連レコードの未同期Salesforceアカウント、HubSpot会社レコードHubSpot管理者

まとめ

HubSpotとSalesforceの同期エラーは、原因を特定しないまま再同期を繰り返しても解決しません。まずHubSpotの「同期の健全性」タブでエラータイプと影響レコード数を確認します。そのうえで、フィールド型、選択リスト、権限、重複、Salesforce側の自動化、API上限、関連レコードの順に確認すると原因を切り分けやすくなります。

HubSpot側で直せるものもありますが、Salesforceの権限・重複ルール・フロー・検証ルール・Apexが原因の場合はSalesforce管理者の対応が必要です。エラーを修正した後は、HubSpotのエラー一覧から対象レコードを再同期してください。自社環境での原因特定が難しい場合は、HubSpotまたはSalesforceのサポートに問い合わせるのが確実です。当社でも連携設定の見直しや運用支援を行っています。お気軽にご相談ください。

マーケテイング運用を強化されたい方へ

マーケティングツールの運用は、導入して終わりではありません。設定の属人化、確認フローの形骸化、データの蓄積による管理コストの増大など、運用フェーズで出てくる問題は少なくありません。
こうした状況を一人で抱えていると、ミスへの対応に追われ、本来やるべき施策に手が回らなくなります。
さとりファクトリーのMOpsサポートサービスでは、Mマーケティングの運用管理・データ整備・ツール間連携の保守・トラブル対応などを、月伴走支援として継続的にサポートしています。マーケティングの業務文脈とシステム実装の両方を理解したチームが対応するため、「IT部門に伝わらない」「要件の出し方がわからない」という状況も含めて相談いただけます。
「何から手をつければいいかわからない」という段階からでも対応しています。まずはお気軽にご相談ください。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP