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HubSpotのワークフローが同じコンタクトに何度も実行されるときの確認手順

HubSpotのワークフローが同じコンタクトに繰り返し実行される場合、見るべきなのはアクションの中身ではなく、登録まわりの設定です。再登録の設定と登録の経路。この2つを分けて確認すると、原因はほぼ特定できます。

同じ人に同じメールが2回届いた、担当者へのタスクが毎週作られ続ける、といった形で発覚することが多く、放置するとコンタクトからの信頼を直接損ないます。この記事では、原因になりやすい設定と、管理画面で確認する順番を整理します。

前提:ワークフローは初回しか動かないのが標準の仕様

最初に押さえておきたいのは、HubSpotのワークフローは標準では同じレコードに1回しか実行されないという点です。レコードがワークフローに登録されるのは、登録トリガーの条件を初めて満たしたとき、または手動で登録されたときだけです。

つまり何度も実行されるという状態は、標準の動きから外れる設定がされているか、登録の経路が複数あるかのどちらかです。バグや不具合を疑う前に、まず自分のポータルの設定を確認する方が早く解決します。

なお、再登録が起きるのは、そのレコードがワークフローを完了するか登録解除された後です。登録中のレコードが途中からもう一度登録されることはありません。実行中に二重で動いているように見える場合は、後述する別ワークフローの存在を疑ってください。

繰り返し実行の原因になりやすい4つの設定

原因の大半は次の4つのどれかに該当します。上から順に該当率が高い印象です。

1. 再登録トリガーが有効になっている

コンタクトベースのワークフローでは、登録トリガーの設定に「再登録」のタブがあり、ここがオンになっていると、条件を一度外れて再び満たしたレコードが再登録されます。会社や取引など他のオブジェクトのワークフローでは、設定タブ内の再登録スイッチが同じ役割です。過去の担当者がテスト目的でオンにしたまま、あるいは念のためオンにしたまま運用されているケースがよくあります。

再登録されたレコードは、ワークフローのアクションを最初からすべて実行します。自動配信メールが含まれていれば、そのメールも再送されます。

2. 「値がある」条件で再登録が設定されている

再登録トリガーに「プロパティーに値がある」という条件を使っている場合は特に注意が必要です。この条件は、値が空から設定されたときだけでなく、ある値から別の値に更新されたときにも再登録の対象になります。

たとえばライフサイクルステージを条件にしていると、リードからMQL、MQLからSQLとステージが変わるたびに再登録が発生します。一度だけ動くはず、という感覚と実際の挙動が最もずれやすいのがこのパターンです。

3. 別のワークフローから登録されている

ワークフローのアクションには「ワークフローに移動」(旧称は「別のワークフローに登録」)があります。ワークフローAがコンタクトをワークフローBに登録する構成になっていて、Aが繰り返し動く条件なら、Bも繰り返し実行されます。

この経路での登録はB側の登録トリガーを完全にバイパスする、という点に注意してください。Bに登録されないのは、そのレコードがBの除外リストに入っているか、すでにBに登録中の場合だけです。つまりB側の再登録設定がオフでも、Aから送り込まれるたびにBは最初から実行されます。Bの設定をいくら見ても原因は見つからないので、登録元をたどる必要があります。

4. 手動登録やリストからの登録が繰り返されている

レコードやリストからの手動登録は、登録トリガーの条件に関係なく実行されます。営業メンバーが個別に登録した、月次のオペレーションでリストごと登録している、といった運用が原因になっていることもあります。この場合は設定ではなく運用側の問題です。

なぜ原因に気づきにくいのか

再登録の設定は、ワークフローのキャンバス上には表示されません。登録トリガーのボックスを開いて「再登録」タブを見ないと確認できない場所にあります。ワークフロー全体図を眺めているだけでは、何度も動く理由がどこにも見当たらない状態になります。

もう1つの盲点は、同じワークフローが何度も動いていると思い込んでいるが、実際には似た内容の別ワークフローが同じコンタクトに動いているケースです。メールの文面が同じテンプレートを使っていると、受信者側からは区別がつきません。この切り分けを最初にやらないと、無関係なワークフローの設定を延々と調べることになります。

管理画面で確認する順番

以下の順で確認すると、切り分けに無駄がありません。

1.コンタクトレコードでワークフローメンバーシップを確認する

まず、実際に重複が起きたコンタクトのレコードを開きます。[CRM]>[コンタクト]から該当コンタクトを開き、右パネルの「ワークフローメンバーシップ」から「ワークフローメンバーシップを管理」をクリックすると、現在登録中および過去に登録されていたワークフローの一覧が確認できます。

ここで見るのは、疑っているワークフローだけが並んでいるのか、それとも似た内容の別のワークフロー名も並んでいるのかです。前者なら再登録か登録経路の問題、後者なら重複した別ワークフローの問題。この時点で調査対象がひとつに絞れます。

2.ワークフローの登録履歴で回数と理由を確認する

次に、[自動化]>[ワークフロー]から該当ワークフローを開き、登録履歴を確認します。同じコンタクトの登録が複数回並んでいれば、繰り返し実行の事実がここで確定します。登録イベントの「なぜ登録されたのですか?」をクリックすると、登録の日時と登録された理由が表示され、トリガーによる登録なのか、手動や別ワークフロー経由なのかを追う手がかりになります。

なお、登録履歴のデータはHubSpotに6か月間しか保存されません。古い重複を調べたい場合は、この期間の制約を前提に判断してください。

3.登録トリガーの「再登録」タブを開く

登録元がトリガーだった場合は、ワークフローエディターで登録トリガーのボックスをクリックし、「再登録」タブを確認します。再登録がオンになっているか、どの条件が再登録の基準に使われているかを見ます。

このとき「値がある」系の条件が再登録基準に含まれていたら、前述のとおり値の更新のたびに再登録される可能性を疑ってください。逆に、再登録の基準に使えない条件もあります。アクティビティー系の条件や、コンタクトベースのワークフローにおける関連オブジェクト(取引など)のプロパティー条件は再登録に使えないため、再登録されるはずの設計が動かない、という逆方向のトラブルの原因にもなります。

4.他のワークフローからの参照を確認する

登録元が別ワークフローだった場合は、そのワークフロー名が履歴に表示されているはずなので、登録元のワークフローを開き、なぜそれが繰り返し動いているかを同じ手順で確認します。登録の連鎖が2段、3段になっていることもあるため、根元まで遡ります。

設定を変更する前に確認すること

原因が分かっても、すぐに再登録をオフにするのは待ってください。確認すべき点が2つあります。

1つ目は、その再登録が意図された設計かどうかです。たとえば取引が作成されるたびにプロパティーをコピーする、といった構成では、再登録が動作の前提になっています。オフにすると、重複メールは止まる代わりに、必要な処理も止まります。ワークフローの目的を確認してから判断してください。

2つ目は、現在登録中のレコードへの影響です。設定変更は、すでにその地点を通過したレコードには適用されません。緊急でメール送信を止めたい場合は、再登録設定の変更ではなく、ワークフロー自体を一時的にオフにする方が確実です。ただしオフにしている間、登録中のレコードは待機ステップだけを進み、メール送信を含む他のアクションはスキップされます。スキップされたアクションは再開後も実行されないため、止めていた間のメールは飛ばされたままになる。そこまで含めて判断してください。

再発を防ぐための運用ルール

原因を修正したら、同じ問題を繰り返さないためのルールを決めておきます。

  • ワークフローを公開する前に、再登録タブの状態を確認項目に入れる
  • 再登録をオンにする場合は、ワークフローの説明欄に再登録の有無と条件、その理由を書き残す
  • 「ワークフローに移動」アクションを使う場合は、登録元と登録先の対応関係を一覧化しておく
  • リストからの手動一括登録は、実施者と頻度を決めて属人化させない

とくに説明欄への記録は効果が大きいです。再登録の設定は画面上で目立たないため、文字で残しておかないと次の担当者が必ず同じ調査をやり直すことになります。

まとめ:登録経路の棚卸しまでやると再発しない

同じコンタクトにワークフローが何度も実行される原因は、再登録トリガー、値の更新による再登録、別ワークフローからの登録、手動登録の4つに集約されます。コンタクト側のワークフローメンバーシップから入り、ワークフロー側の登録履歴で回数と経路を特定するのが最短の手順です。

ただし、今回の1件を直しても、ポータル内の他のワークフローに同じ設定が残っていれば、別の場所で同じ問題が起きます。ワークフローの数が増えてきたポータルでは、再登録設定と登録経路の棚卸しを一度まとめて実施する価値があります。自社での棚卸しが難しい場合は、外部の運用支援を使って現状の設定を診断してもらうのも選択肢のひとつです。

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