Marketoを長く担当していた人が退職することになった。あるいは、すでに退職してしまった。
そういった状況で「何から手をつければいいかわからない」という声は少なくありません。
引き継ぎ資料はない、何が動いているかもわからない、でもメール配信は止められない。そんな状態に急に放り込まれた方に向けて、今日から動ける手順をお伝えします。
なぜMarketo運用は属人化しやすいのか
Marketoは機能が多く、使いこなすほど設定が複雑になります。メール配信・スコアリング・フォーム・外部システムとの連携など、担当者が少しずつカスタマイズを重ねていくため、時間が経つほどその人しか知らない設定が増えていきます。
またMarketoは操作のほとんどが自動保存で、変更履歴が残りにくい作りになっています。誰が何を変えたかを後から追うのは難しく、担当者が変わった時点で状況把握がほぼゼロからになるケースが多いのが現実です。
このような構造的な特性があるため、引き継ぎ資料が整備されていなかったとしても、それは前任者の怠慢というより、Marketoの性質上起きやすい問題だと理解しておくと、対処の優先順位が立てやすくなります。
まず確認すること:今動いているものを把握する
引き継ぎで最初にやるべきことは、「今動いているものを止めないこと」です。Marketoでは以下のものが自動で動き続けています。
- トリガー型のスマートキャンペーン
フォーム送信やメール開封などをきっかけに自動実行されます。誰かがフォームを送信するたびに、裏側でキャンペーンが走っています。管理画面の「マーケティング活動」を開き、上部のフィルターで「アクティブなキャンペーン」に絞ると、現在動いているものが一覧で確認できます。 - エンゲージメントプログラム
一定のスケジュールでメールを送り続ける仕組みです。止め方を知らないまま放置すると、意図しないタイミングでメールが送られ続けます。 - バッチキャンペーン
スケジュール設定された日時に一括で実行されます。近い日程で実行予定のものがないか確認しておく必要があります。
まずはこれら3種類の「動いているもの」をスプレッドシートに書き出すことをお勧めします。こを把握していないと、そもそも何を変更してもいいのか、いけないかの判断がつきません。
管理者権限の確認と移譲
退職した担当者が管理者権限を持っていた場合、まず自分後任者に管理者権限を付与する必要があります。管理者権限がなければ、設定の大半を変更することができません。
確認場所は「管理者」メニュー内の「ユーザー&ロール」です。ここでユーザーの一覧と権限が確認できます。
退職した担当者が唯一の管理者だった場合、退職前に権限移譲を済ませることが絶対条件です。退職後に気づいた場合は、Adobeのカスタマーサポートへ問い合わせることになりますが、対応には数営業日かかることがあります。できるだけ早くご確認をお願いします。
連携しているシステムの確認
Marketoは単体で使うことはほぼなく、CRMや自社サイト、広告ツールなどと連携しているのが一般的です。退職した担当者が連携の設定を個人のアカウントや認証情報で管理していた場合、退職後に連携が切れてデータが流れなくなることがあります。
確認場所は「管理者」メニュー内の「統合」と「Launchpoint」です。Launchpointでは外部ツールとのAPI連携が確認できます。担当者個人のアカウントで認証されているものがあれば、早めに切り替えを行います。
特にSalesforceやMicrosoft Dynamicsとの同期設定は、誤って変更するとリードデータに影響が出ることがあるため、内容を把握した上で慎重に対処してください。よくわからない場合は、触らずそのままにしておくことが安全です。
フォームとメールの確認
Webサイトに埋め込まれているフォームは、誤って削除するとリードが取れなくなります。「デザインスタジオ」内の「フォーム」から一覧を確認し、どのフォームが実際にサイトで使われているかをメモしておきます。
同様に、定期的に送っているメールのテンプレートも確認します。送信者名やFromアドレスが退職した担当者の個人名になっていないかも合わせてチェックします。個人名のまま送り続けると、受信者に混乱を与えることになります。
退職後に最低限やること
引き継ぎが十分にできないまま退職された場合でも、以下の4点は早めに対処してください。
退職した担当者のMarketoアカウントを無効化することが最初のステップです。「ユーザー&ロール」から操作できます。アカウントを残したままにしておくと、セキュリティ上のリスクになります。
次に、動いているキャンペーンの一覧を作ります。前述の手順で「マーケティング活動」から確認できます。
連携しているシステムのリストも作っておきます。「統合」と「Launchpoint」の画面をスクリーンショットで保存するだけでも構いません。
最後に、よくわからない設定には触れないことです。Marketoは設定を誤って変更するとリードデータや配信履歴に影響が出ることがあります。状況把握を優先し、内容が理解できていない箇所は動かさないことが鉄則です。
次のステップ:体制をどう整えるか
担当者の退職は、Marketoの運用がどれだけブラックボックス化していたかを可視化するきっかけでもあります。緊急対応が一段落したら、次は運用を継続できる体制を整える段階に入ります。
選択肢は大きく3つです。社内で新たな担当者を育てる、運用代行を外部に依頼する、または設定の棚卸しと整理だけを外部に任せて運用は自社で続ける、という方法があります。
どの選択肢を取るにしても、現在どんな設定が入っているかを把握することが前提になります。「何が動いているかわからない」状態のまま新しい担当者に引き継いでも、同じ問題が繰り返されるだけです。
Marketo運用の棚卸しや、引き継ぎ後の体制づくりについて相談したい場合は、お気軽にお問い合わせください。状況を確認した上で、現実的な対応策をご提案します。
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